革のスピューについて

2023.06.8
TOPIX, メンテナンス

革のスピューとその対策について

革は、靴やカバンだけでなく、家具、車のシートなどで幅広く使用されている人気のある素材です。一番のメリットはその耐久性。うまくメンテナンスしながら使うと、10年20年と使うことができ、経年変化も楽しむことができます。しかし、革には白い霧状のスピュー（白い粉）が発生する可能性があります。今回は、スピューとは何か、その原因、そして最も重要なのは、その予防と直す方法について探っていきます。

スピューとは何か？

スピューは、革の表面に現れる白色または灰色の霧状のもので、仕上げ後の革、未加工の革の両方で発生する可能性がありますが、今回は仕上げ後の革にフォーカスして解説します。スピューは、脂肪や塩など、加工前の革洗浄が甘いときに出る場合と、浸透しきれない鞣し剤が表出する場合、または足の汗や靴クリームなどが原因の場合など、複数の理由があります。どちらかといえば自然発生的な現象であり、革に害があるわけではありませんが、見た目が悪く、革が汚れたように見えます。

スピューの種類

スピューには自然発生の場合と誘発の場合と2パターンあります。自然発生のスピューは、革が湿気や水にさらされたときに発生します。一方、誘発されるスピューは、溶剤や油など、靴クリームなどに含まれる成分で引き起こされます。

スピューが表出する原因は？

スピューは、革の脂肪や塩など表面に移行することによって引き起こされます。自然発生的ですが、いくつかのトリガーでスピューがより早くまたは重度に発生する可能性があります。これらの要因には、以下のものがあります。

高温多湿な場所での保管
雨など水分を含んだ場合
溶剤、油などに触れた場合

スピューを予防する方法は？

1. 革の湿気対策

革は、湿気や水分によってスピューを発生させることがあります。湿気の多い場所で革製品を長期間保管することは避け、風通しの良い場所に保管することが重要です。靴箱にドアがある場合は、時々開放して虫干ししてください。また、湿度を下げるために、除湿剤を使用するのも良いですが、水とりぞうさんは絶対に使わないでください。

2. 革のクリーナーに注意！

革製品を洗浄する際には、専用のクリーナーを使用することが大切です。強力な洗剤やアルコールなどの揮発性の高い物質を使用すると、スピューを引き起こす可能性があります。また、革の表面に水分を残さないように注意し、十分に乾燥させることも重要です。溶剤やスピューを引き出す成分を含んでいないクリーナーとして、レザークレンジングオイルがあります

スピューを直す方法は？

スピューが発生した場合、以下の方法で直することができます。

1. ブラッシング

スピューが軽度な場合は、馬毛ブラシを使用して、スピューを取り除くことができます。革の種類に合わせたブラシを使用し、優しく擦ってください。

2. 革のクリーナー

スピューが軽度な場合なら、スピューを引き出す溶剤やロウなどを含まないクリーナーを布に含ませ、拭き取ると落ちやすいです。おすすめはレザークレンジングオイルです。スピューを引き出しやすいクリーナーは発泡スチロールが溶けるので、スチロールに一滴、クリーナーを垂らして1時間ほど放置するとスチロールが溶ける場合はNGです。