革にダメージ!?あまりオススメできない”スチーム洗浄”

クツクリーニングには、スチームで洗浄する方法があります。

ご家庭でも使っている方、いるかもしれませんね。そう、ケルヒャーとかで有名なアレです。

当社にも1台あります。

で、このスチーム洗浄。簡単に言うと、高圧&高温のスチームは汚れの分子活動を活発化させるので、汚れが取れやすくなるんですね。
水洗いでは取れにくい、カビやニオイ、雑菌も簡単に取れます。

ところが、革のスチーム洗浄、あまりオススメできません
革は水と温度の合わせ技に、とても弱いんです。

実は、皆さんが思っている以上に、革は意外に水に強いのです。

例えば、革を財布や小物に加工する際、少し濡らした革を型にハメて、自然乾燥させます。
そうすると、カーブなど立体的な形状をかたどることができます。
ご興味ある方は、革人形の製造工程を図書館や本屋さんで探してみてください。

なめしの最終工程では、低温ですがアイロンを使ったりもします。つまり、短時間なら熱にも多少は耐えるんですね。

ところが、この両方が合わさる(濡れた状態で熱を加える)と、すぐに劣化します。
表面の「銀層」と言われる部分が、急速に縮んだり、硬くなったりします。

”シュリンクレザー”というのは革表面の銀層を縮ませて作りますが、その工程がまさにこれ。
熱水に浸けるんですね。あっという間に縮みます。
たとえ一瞬でも、縮むまではいかなくても、硬くなったり、ヒビ割れしやすくなります。

哺乳類動物の革のタンパク質構造は、人間の皮膚にとてもよく似ているので、人の皮膚がただれたり、やけどしたりするようなことは、革だって耐えられません。
わかりやすくいえば、人間は80度のサウナには耐えられても、80度の熱水には浸かれません。

というわけで、スチーム洗浄はあまりオススメできません。

どうしてもニオイや雑菌を取り除きたい!という方は、オゾン水洗浄をオススメします!

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