エセ科学はなぜ広がる?

エセ科学とは

皆さんは、「エセ科学」という言葉を聞いたことがありますか?

日本ではよく、SNSやブログなどで共有されるノウハウがありますが、その中でも科学的に間違っている「擬似科学」を表す用語です。「エセ」は「偽りの」という意味です。本記事では、エセ科学の世界を探求し、その人気、危険性、本物の化学との区別方法について理解していきます。

エセ科学はどうやって広がる?

エセ科学は、化学知識がない人に向けて、科学を簡略化して説明する場合に起こります。このとき、大きく分けて3つの理由があり、

  1. そもそも科学的なバックグラウンドを持たないインフルエンサーが適当に記事を再加工している。
  2. SNSやブログ、YouTubeチャンネルでバズったエセ科学を引用してしまう。
  3. 医師や有名人など、世間的には高学歴あるいは知識人と評価されている科学音痴な人が広めている。

というのが主な理由です。

エセ科学の人気

エセ科学は、科学に興味がある人の間で日本で人気を博しました。多くの人は得てして、科学用語が難しい、理解しづらいと感じています。本来、ある一定、知識が必要な難しい科学を、より簡単で楽しい方法で理解しやすくデフォルメしてしまうことが、エセ科学の温床になっています。エセ科学は、洗濯、美容製品、健康補助食品、オーガニック製品、宗教などに利用されがちで、バズりやすいトピックに焦点を当てているため、SNSで人を集めてしまいます。

エセ科学の危険性

エセ科学は一見無害、または問題ないように見えるかもしれませんが、ときには深刻な結果をもたらすことがあります。一つの例として、「貝殻焼成カルシウム」というオーガニックな除菌消臭成分があります。確かにオーガニックですが、貝殻焼成カルシウムは別名「水酸化カルシウム」といい、水に溶けると高アルカリで、皮膚に触れると皮膚が溶け、目に入ると失明の危険性もある、取り扱いが難しい成分です。ところが、「貝殻」や「カルシウム」という、一般的に聞き慣れた言葉と「オーガニック」という信仰に近い言葉が組み合わさると、よく調べもせず「なんとなく安全で良さそう」という誤解を与えがちです。

そうした意味では、エセ科学は潜在的に危険といえます。さらにエセ科学は、気候変動や環境問題など重要な科学的トピックについて、人々に誤った情報を与えることがあります。例として、合成界面活性剤の一部は「使用量が多すぎるために使用を控える」ことが推し進められています。これは環境に負荷が特段大きいわけでもなく、生分解性が低いわけでなくとも、特定の化学物質の廃棄量が増えると環境バランスが悪くなるために、事前に規制されるケースです。ですが、そこまで理解せず、ただ規制対象になったからといって、「化学物質は悪」という印象操作をしようとする人も現れます。こうしたケースは得てして、自身が販売するオーガニック製品を高く売るために利用されるマーケティング手法のひとつの場合が多いです。

エセ科学は本物の化学との区別がつかない場合があります。これは、科学を学んでこなかった人々にとって危険なことです。

エセ科学と本物の科学の違い

エセ科学と本物の科学の最も大きな違いは、査読された論文やデータがあるかどうかです。本物の科学は、科学的方法を使用して調査し、結果を評価し、それに基づいて論文を書きます。ただ書くだけでなく、学会で発表され、他の科学者によって査読されます。その結果、一定の評価を得て始めて「科学的に正しい」となります。

一方、エセ科学は、自己流の方法で実験を行い、結果ありきの試験や予測を立てます。結果ありきなので、データは改ざんされ、そこに科学者ではない医師やインフルエンサーの推薦を受けて、さも信憑性のある情報のように振る舞うことがあります。

エセ科学は大抵の場合、素人によって行われ、一般的に専門用語や正確な試験方法が使用されません。

エセ科学を避ける方法

エセ科学を避けるためには、以下の点に留意することが重要です。

  • 科学的なバックグラウンドや教育を持たないタレントやインフルエンサーが共有、推薦されるコンテンツをそのまま信用しない
  • 信頼できる出版物やオンラインサイトで自分なりに調べる
  • 科学の専門用語や科学的手法に親しみを持つ
  • 科学的方法に基づく正しい試験が行われているか、十分に疑う

世界的にエセ科学とされる主な事例

  • 占星術
  • 血液型占い
  • 錬金術
  • 水からの伝言
  • マイナスイオン
  • EM菌
  • アドラー心理学
  • ゲルマニウム
  • デトックス
  • 血液サラサラ
  • アルカリ食品、酸性食品

※他にも多くの事例があります。

まとめ

エセ科学は、科学に興味を持ちながらも、科学を知らない人々の間で人気があります。その情報は誤解を招くことがあり、潜在的に危険な場合があります。エセ科学と本物の科学の違いは、科学的方法に基づくかどうかです。本物の科学は、専門家によって行われ、科学的方法と専門用語が使用されます。エセ科学を避けるためには、信頼できる出版物やオンラインサイトから学び、科学の専門用語と科学的方法を学び、科学的方法に基づく正しい試験方法に従うことが重要です。

FAQ

1.エセ科学は本物の科学に対してどのような影響がありますか?
エセ科学は、本物の科学に対して不正確な情報で混乱を呼び起こすことがあります。AIがエセ科学を情報としてインプットし、拡散する未来もあるかもしれません。

2.エセ化学を見分けるためにはどのようなことに留意すればよいですか?
エセ化学を見分けるためには、以下の点に留意することが重要です。

  • ソースが信頼できるものであるかを確認する
  • 科学的手法に基づくかどうかを確認する
  • 言われていることが常識的かどうかを確認する

3.科学を簡略化することは、科学的に正しい知識を学ぶために役立つのでしょうか?
科学を簡略化すること、科学を正しく学ぶためには役立ちません。むしろ、エセ科学となり、誤った情報を提供する可能性があるため、人々を混乱させるだけでなく、潜在的に危険な状況を引き起こすことがあります。

4.エセ科学の影響はどのようなものがありますか?
エセ科学は、誤った情報を提供することにより、SNSなどで拡散され、間違った情報がさも正しい情報のように振る舞うことで、人々を混乱に陥れます。

5.エセ科学と本物の科学の違いは何ですか?
最も大きな違いは、科学的手法に基づく試験が行われ、かつ論文になって、査読されているかどうかです。

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